プジョー207は2006年1月に発表されたフランスの自動車メーカープジョーの小型車だ。プジョー207はプジョー206の後継車である。
しかしながら206は未だに絶大な人気を誇っているので当分の間はヨーロッパおよび他の国々で継続的に販売される。逆に「プジョー207は大きくなりすぎだ」と一部の自動車ジャーナリストから批判を受けているのも理由の一つと思われるが、真相は定かではない。プジョー207はシトロエン・C3の発展版のプラットフォームを元にして設計されているモデルの車である。
プジョー207のエンジンは5種類のガソリンエンジンと1種類のHDiディーゼルエンジンである。72馬力と88馬力の2種類の1.4Lガソリンエンジンと、1.6Lエンジンは109馬力のエンジンとバルブトロニックの115馬力のエンジンがあり、最上級のバージョンはターボ過給の143馬力である。ディーゼルエンジンは最高出力109馬力のHDi1.6Lである。全長は4030mm、全幅は1720mm、全高は1472mmである。現在のところ3ドアと5ドアのハッチバックのみ市販されている。しかし格納式のハードトップを備えた207CCクーペカブリオレバージョンが2007年には加わる。
2006年のジュネーブモーターショーにプジョーはプジョー207をベースとしたスポーティーなコンセプトカー207RCupを出展した。このプジョー207RCupは280馬力の2.0LガソリンエンジンでWRCで2000年、2001年、2002年にマニュファクチャラーズタイトルを獲得するという成功を収めた206WRCラリーカーの後継車である。
そして、そのプジョー207を発表したプジョー社だが、フランスの自動車メーカーである。また、スクーターも別会社(プジョー・モトシクル)で生産している。かつてはフランス最大の自転車メーカーでもあった。青色の背景に後ろ足で立ち上がったライオンのエンブレムは「ブルーライオン」と呼ばれるプジョーを象徴しているロゴマークだ。
アルマン・プジョーが創設し、甥のロベール・プジョーの経営によって発展を遂げた。そもそもは歯車や骨組の製造を生業とする会社であり、現在でもペッパーミル(胡椒挽き)等様々な製品を生産し、専門家に愛用者が多いことでも知られる。日本にも輸入されており購入できる、プジョーは多角経営の自動車会社であるといえる。
ロベールの時代から乗用車のみ"x0x" という真ん中にゼロを入れる三桁の数字を車名とする伝統が続いていたが、2004年発表の1007はプジョーで初めて四桁の数字の車名となった。
1974年にシトロエンと、1979年にクライスラー UK(旧ルーツ・グループ)やシムカ などとともに、持株会社による企業グループ「PSA・プジョーシトロエン」を形成している。またプジョーは自動車だけではなく小型二輪車を中心とした自動二輪車、そして自転車も製造している。PSAグループの自動車生産台数は、ホンダとほぼ同規模である。
世界で最初(1886年)にガソリン自動車を発明したのが現在のダイムラー・クライスラーであるが、世界で最初(1891年)に自動車を量産販売したのはプジョーであるため、「世界最古の自動車メーカー」の座を両社が争っているという。
日本でのセールスは長らく振るわなかったがプジョー306やプジョー206の個性的なデザインでヒットし、日本でも人気輸入車ブランドの1つに挙げられるまでになっている。
プジョーは1882年の最初の大型自転車Grand Bi以来、自転車の世界でもその名を長く轟かせている。日本では、サイクルヨーロッパジャパン株式会社がプジョー社からのライセンスに基づいて、製造・輸入・販売を行っていたが、2004年末をもってライセンス契約が終了した。今後は、プジョー東京等がフランス・プジョー製の自転車を輸入すると発表している。